コンパクトマンション選別の注意点

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店長の平野です。今日は30~50㎡台の「コンパクトマンション」を選ぶ際の注意点を一つご紹介します。

この注意点は、まだまだご存じない方も多く、「住まい心地」だけでなく「資産価値」にも大きな差が出るので是非覚えておくと良いでしょう。

 

■都心コンパクトマンションの歴史

マンション市場では平成15年(2003年)頃に、コンパクトマンションブームが起こりました。

それまで分譲マンションと言うと概ね50㎡以上で2LDK以上の間取りが主流でしたが、都市部の晩婚化によるシングル世帯の増加、職住近接ブーム、不動産投資に興味を持つ方々が増加したなどの理由で、それまでは無かった「都心部のシングル向け分譲マンション(1LDK)」の需要が増加し、コンパクトマンションブームが到来したわけです。

利便性を重視した物件、セキュリティを強化した物件、高いデザイン性に拘った物件など、ワンランク上の住空間を求める「シングル層向け」の個性ある物件が数多く供給され、新しい住宅の選択肢として地位を確立したコンパクトマンション(30㎡台・40㎡台)ですが、ちょうど住宅ローン金利の低下の影響もあり、フルローンで買っても月々家賃相場以下と言うこともあり「何年か住んだら貸して資産形成をする」という考えの方や「いざとなったら貸せば大丈夫」という安心材料もあって、コンパクトマンションは飛ぶように売れ、各デベロッパーも「コンパクトマンションシリーズ」の供給に力を入れ、今でもその地位(市場)は一定の人気を保っている状況です。

 

■コンパクトマンション選別の際の「注意点」とは?

さて本題に入りましょう。昨今、特に各銀行の「優遇金利条件」による史上最低金利の影響で、シングル層でもマンションを購入しようという人はどんどん増えていますが、その選別の際にはとても大事な「ポイント」があります。

それは

「投資用ワンルームマンションの付置義務住戸(30㎡台・40㎡台・50㎡台)には気を付けましょう」

というポイントです。少し詳しくご説明しましょう。都心部の30㎡台40㎡台のマンションには大きく分けて「2つの種類」があります。一つは「実需(実住)用のコンパクトマンション」、これはマンション全体が「居住する方向け」に供給されている物件です。供給するデベロッパーは普段「ファミリータイプの分譲マンション」を供給しているデベロッパーです。これが皆様が一般的に探している「コンパクトマンション」だと考えて下さい。もう一つは「投資用マンションの付置義務住戸の30㎡台、40㎡台」です。付置義務住戸という呼び方は正式な名称ではありませんが、当社では便宜的にそう呼んでいます。投資用マンションの付置義務住戸というのは何かとういうと「一棟全体は投資用マンション(20㎡台)で、その中に数戸だけ混ざっている少し広めの部屋」のことです。

実は東京都では、各区の条例により「30㎡未満(20㎡台)の投資用マンション(集合住宅)」を建てる際には、区ごとに様々な制限を設けており「一棟まるごと20㎡台の投資用住戸」を建設できる区は限られていて、都心部の行政区においては、投資用ワンルームマンションを建設する際には、一定以上の割合で「少し面積の広い部屋」も作らなければいけない(建てられない)決まりになっています。※ここでは区ごとの制限の詳細などは割愛します。

投資用マンションのデベロッパーが、投資用ワンルームマンションを建てて供給(販売)しようとした場合には、総戸数に対して一定以上の割合(戸数)で、30㎡台・40㎡台・50㎡台の住戸も作らなければいけないという仕組みです。このような理由で建てられた30㎡~50㎡台の住戸を当社では「ワンルームの付置義務住戸」と呼んで、一般のコンパクトマンションとは区別しているわけです。

先に申しますと、投資用ワンルームマンションの付置義務住戸は「買ってはいけない」ということではありません。実需(実住)用に建てられたコンパクトマンションとの「住んだ時の違い」や、そこから発生する「適正価格の違い」をきちんと把握(区別)した上で検討・評価すると良いという主旨です。その点も踏まえた上で「少し安いから良し」と判断することはあって良いと思います。失敗や後悔に繋がってしまうのは「その違い」を知らないまま買ってしまうパターンです。主な違いは下記の通りです。

●実需用コンパクトマンションは、マンション全体の内「自分で住む為に買っている人」が大半ですので、他の部屋の居住者も概ね年齢や年収層(生活水準)、生活スタイルがご自身に似ているという場合が多いのですが、投資用マンションの場合、物件全体の半分から8割程度は「20㎡台の賃貸住戸」になりますので、8~9万円台の家賃で借りている居住者の比率が高くなります。私自身も学生時代はよく友人の部屋で朝まで麻雀をしたり、お酒を飲んで騒いでいたこともありますので「いけないこと」と言う資格はありませんが、隣住戸や上下階の人からすると「うるさい、寝れない」となることも事実です。快適な住空間を求めてせっかく買ったのに、マンション内に生活リズムが違う人が多いと、コミュニティストレスが生まれることもあります。これが一つ目の懸念材料(違い)です。

●投資用で建てられた物件は、遮音性や設備が実需用よりも劣るケースが多いです。投資用マンションはそもそも、購入したオーナーが賃貸運用して「収益を上げること」を目的としていますので、必要以上にグレードを高くする必要もなく、またグレードを上げた分販売価格が高くなってしまっては、購入する投資オーナーの利回りは悪くなりますから「必要充分な設備仕様、遮音性」に留めることが大事とも言えます。建設される「目的」が違うわけです。世の中の投資用マンションは「設備・仕様が悪い」という意味合いではなく、「必要以上にグレードを高める建築物ではない」という意味です。都心でコンパクトマンションを購入しようというシングル層は比較的「遮音性」「設備仕様」も重視しますから、この点においても少し満足度の低いものになるという「違い」があります。

●管理が「巡回管理」であることも一般的な投資用マンションの特徴です。この点も「マンション全体に求められる管理の質自体が異なる」ことから発生する「違い」です。マンションの管理は「常駐」「日勤」「巡回」と区別され、常駐は「いつも居る」という管理形態です。日勤は週に4~5階程度、一日4~8時間管理人さんが居てゴミ置き場や共用部の清掃をする管理形態です。投資用マンションに多い「巡回管理」は、決まった管理人さんがいるわけではなく、管理会社の物件担当者が月に何度か物件に足を運ぶという管理形態です。投資用マンションの場合には、居住者の大半は「家賃8~9万円台」で住んでいる賃借人さんなので、そこまで管理体制を重視しません。勿論管理体制が良くなれば管理費も上がりますので、その分家賃も高くなり、オーナーにとっても入居者にとっても「良い管理状態」がとても大事ではないわけです。この「管理形態」の違いも、住んでから気付くと少し残念な気持ちになる要素の一つと言えます。

上記のような「居住者の大半が家賃8~9万円台の賃借人であること」「一般的には遮音性や設備仕様のグレードが高くないこと」「一般的には管理形態が巡回管理であること」は、3,000万円~5,000万円の住宅ローンを組んで、都心に快適な「自分のマイホーム」を持ちたいと考えているご購入層からすると、とても大きなネックとも言えます。

ところが「投資用マンション」の最たる特徴は「賃貸運用を目的としているので、とても利便性の良い場所に建っている」というもので、また若い世代の賃借人を意識しており、外観デザインがとてもスタイリッシュな物件も多いので、都心でコンパクトマンションを探している方々からは意外と目につく機会が多いようです。

当社も投資顧客からの依頼で「投資用マンション」を仲介する機会もありますし、投資用マンションは「良くない物件」というわけではありませんが「建てられている目的」が違うので、ご自身で住む為に快適なコンパクトマンションを探している方が、それと知らずに買ってしまった場合には、想像していた生活とは少し違った生活になってしまうという懸念は大いにあります。

当社ではコンパクト住戸(30㎡台・40㎡台・50㎡台前半)で、購入相談、物件探しの依頼を受けた際は、なるべく上記をご説明するようにしており、またスタッフも「マンション名」を聞けばだいたい「実需用」のマンションシリーズか、「投資用」のマンションシリーズか判断できますので、いつでもお気軽にお尋ねください。

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